引き返す 前>

その日暮し荘の人々・6

不況・格差社会・生活苦の現代、しかしこんな逆境でも前向きに生きていける何かを見付け、現状を茶化し、徐々にだけれどステップアップしていく主人公を見て、読者をプラス面へ向けられる楽しい漫画が描けないかな…と考えたのが「その日暮し荘の人々」を描く切欠でした。それを考えたのはもぅ3年も前の話ですけれどね(^^;)。

ネームを描くまでに何故こんなに時間が掛かってしまったのかと云うと、4コマ用の絵柄を開発するのに手間取ってしまったからです。
3年前の持ち込みの際、絵柄面で可成り云われたのもありまして、「幾ら話が良くなっても自分らしいor需要のある絵柄が出来てなくてはダメだろう」と判断し、あれこれ試行錯誤してました。
やがて、自分なりに昇華出来たのでは?と思えたのでコレを描き始めた訳ですが、結果は全く以て宜しくありませんでした。
今見ると、自分が理想とした方向よりも全然なってない話の不出来さもありますけれど、4コマ誌上の状況がこの3年間で随分と変わってしまったのが敗因の大きな要素にも思えます。やっぱり時間掛かり過ぎですね。

因みに第1話(この原稿)のサブテーマは「住」。2話目が「食」、3話目が「衣」と生活の根幹から始めていって、あとは読者の反応を見ながら幾つか考えている方向を決めていこうかなと予定してました。っが、私の目論見とは裏腹に、雑誌の方はそんなのを求めちゃいなかったのでした。

科白をフォントで清書したとは言え、鉛筆描きの荒く見辛い絵で済みません。でも、これを読んで何かしら残るモノがありましたら嬉しく思います。

2007.12.8 NAN


引き返す 前頁
引き返す 前>