カッコ左 トウソウ カッコ右

トウソウ

ギャラリー展示用の機械少女物としては約6年ぶりの新作です。
そして線画起こしから彩色まで約5年越しでやっと完成させる事が出来ました。
放置した期間が長かったとは言え、自分でも此処まで時間が掛かるとは予想していなかったけれど、やっぱり時間掛かり過ぎましたね。

この絵はPPC8100をメインで使っていた頃から製作を始めました。当時スキャンしたスキャナもGT-6000と今となってはショボイ仕様なんですけど、”それらの機器を最大限に生かした作品を作ってみよう!”と思い描き始めたのを覚えています。
初めて144dpiでスキャニングし、出来るだけ大画面での作業にも挑戦したのですが、やはりパワー不足で処理が重く、レイヤーも5枚重ねたらとても快適とは言えないばかりか、何時CGツールが強制終了しても可笑しくない状況に晒された為、G4Macを手に入れるまで放置する事になってしまいました。
G4Macを購入して暫くしてから下地作りまでした後はずっと実作業に移らず、事ある毎に仕上がりのイメージを固める日々を送っていましたね。
兎に角PPC8100と比べG4Macは考えた事は一応何でも出来るが、それだけに試したい事がアレコレ出てきたものの、何が出来て何が出来ないのか、どれが効果的なのかが良く判っていなかったのも放置期間が長くなってしまった要因かもしれません。
とは言え、実作業しながらも可成り試行錯誤しまくってました。今迄イメージしていた処理を片っ端から試してたり、新しい処理もやってみたりしたお陰で5日ほどずーっと作業するハメになりましたよ。でもまぁ、久しぶりにじっくり絵に取り組むのも良い勉強になりましたわ。
因みに、この絵は何時もみたいにリサイズ処理をしていません。スキャニングした当時の解像度と画面サイズのまんまです。また、出来るだけ当時の線画のまま完成させたくて殆ど修正もしていません。なのでポージングやデッサンなど少々拙い処があるかもしれませんが、意図を汲み取って戴けると助かります。

最後にこの絵の設定というか背景なんぞを…。

自立思考型ヒューマノイドの試作機が脱走した。システムに異常はないものの何故か人間の命令を受け付けないばかりか、研究データーが乏しく行動予測がつかない。そこでプロジェクトチームは同型機に前バージョンのシステムを組み込み追跡に向かわせた…

まぁ良くある話ですが、何故試作機は逃走したのかを個々人で考えてみるのも一興。そうそう、絵のキャラは逃走した試作機か追っている機体かは視る人に任せてます。またタイトルを”トウソウ”としたのも”逃走”若しくは”闘争”とどちらとも含みたくて片仮名にしました。本当は両方の意味を持つ漢字で書きたかったのですが、そう言う言葉はないので仕方なくそうした次第。
そう言う訳で、漸く昔から関わっていた絵に決着を付けられました。尤も出来は相変わらずかもしれませんが、御覧になって何かしら感じる処がありましたら幸いです。

2005.3.13 NAN

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