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自然治癒

★むかーしむかしのお話
何時だったかは定かではないのですが、多分、私が3歳か4歳の頃の事です。
その当時の私は、土木作業用の特殊自動車(ダンプカーやクレーン車とか)が、どういう訳か大好きで、良く親や親戚の方からブリキ(と言うか鉄?)製の手動で走らせるおもちゃを買って貰ってました。その中で、ちゃんと物を引っかけて釣り上げる事が出来るクレーン車が特に御気に入りでした。
さて、子供と云うのは、限度無くおもちゃを酷使する者ですから、鉄製で出来たおもちゃは、私にのっかられたり、おもちゃ箱に無理矢理詰めたりしてパーツを鈎爪で止めてあったものが、ズレて壊れていきます。
でも子供は、そんな事御構い無しに遊びます。例え壊れたおもちゃから出ている鈎爪で手や身体を傷つけてもです。
そんなある日、傷だらけに成っても御気に入りのクレーン車で遊び続ける私を、母親が視るに見かねて私に云いました。
「もうそのクレーン車は傷だらけに成ってて一緒に遊ぶのが苦しいの。だから捨ててあげよう。そうしたら他の捨てられた仲間達と楽しかった思い出話が出来るからね」と云った様な内容(本当はどう云ったか、細かいところは覚えてません)で諭され、私も何となく理解し、御気に入りのクレーン車を自分からゴミ箱へ捨て、涙を溜めながら見送った思い出があります。
今考えれば子供騙し的な納得のさせ方なんですけど、当時の私はそれがとても辛いのに、でも何か納得して捨てた覚えがあります。後々それがメカフェチ気味になったキッカケでした(機械物を安易に捨てられない原因の一つにも成ってます)。
それから何日、或いは何年経った事でしょう。テレビを視ていると、東京湾の埋立処分場で、捨てられたおもちゃ同士が子供達に遊んで貰っていた思い出を話しあっていると言う何かシュールなエピソードをやっていました。それ視てたらあのクレーン車の事を思い出してしまい、「あのクレーン車は私と出会えて幸せだったのかなぁ」とか黄昏てしまいました。

★ロボットに出逢った日
小学校低学年の頃です。図書館で何か本を借りて読めと言う課題が出たかなんかして、本を読まなければならなくなりました。字ばかりの本を読む事は、当時の私はとても苦痛で、読む気がしなかったので、なるべく挿し絵が入っている物がないかと選り好みしてました。
そうやって図書館で本を物色していると、ある本に出逢いました。

「狂ったロボット」

ロボット。テレビのニュースや小学何年生だかのグラビアページなどで良く見かける、人間が作った、人間に良く似た、人間の出来ない事を手助けする機械の身体をした機械人間の事。それが狂う?
タイトルに引かれた私は、兎に角読んでみる事にしました。
…その本には、主人公の少女が友達も作らず、子供の面倒を視るために作られたロボットとばかり遊んでいるのです。少女の親、特に母親は、ロボットが壊れて娘を傷つけないかと何時も気が気で成らない。そして、少女からロボットを引き離すが…っと云った顛末なのですが、私の小さかった頃に何となく似た経験の御話が書かれていた所為かとても気に入りまして、何度も読んだ記憶があります。
その後手当たりしだいにロボット物の小説を読み、結果的に本好きに成っていきました。
誰かが云ってましたが、良い本に最初に出逢えると、本当に本好きになれると言うのは、良く判りますね。
因に、「狂ったロボット」の原題は、アイザック・アシモフ先生の「ロビン」だと言うのは、随分後になってから知りました。
これが契機になって、私は、とてもロボットが好きになりました。

★機械少女
手塚先生や石ノ森先生、松本先生原作のアニメや竜の子アニメをある程度視、その後一寸アニメから離れていた時期がありました。
確か中学校になってからでしょうか。親しい友人から「今エルガイムとか、バイファムとか云うアニメが面白いから視てみそ」と云われ、それがキッカケで、又アニメを視る習慣が始まりました。
確かアニメを視だして一寸経った頃でしょうか。「超時空世紀オーガス」と云うのを視るようになり、その作品の中で出てくる「モーム」と言う看護用ヒューマノイドが、もの凄く人間らしくって、何か気に入ってしまった訳です。
さて、オーガスも最終回近く、モームのユーザー(彼女が勝手に決めた{笑})である桂木桂が、とても好いている彼女、ミムジーを助ける為、自分の残り少ない完全埋め込み式(交換不可)バッテリーのエネルギーを使い果たす迄、彼女を敵から守り抜き、後に桂に因り軌道エレベーター上で宇宙葬にされるシーンがあるのですが、何かねぇ、柄にもなく泣いてしまったんですよ。
機械少女(少女に限らずですが)の悲しい宿命をこの時知ってしまって。
まぁ、今までもアトムやキカイダー、サイボーグ009、ガイスラッガー、銀河鉄道999などに機械人間達が出てきたのですが、何となく、ロボットと云う印象が強く、そう言う設定っと云う感じで視ていたので、そんなに入れ込まなかったのですが、”モーム”に出逢ってから一寸そう云った作品の見方が変わったのは、確かです。

★最後に…
さてロボット少女(或いは機械少女)。ことこう云ったモチーフは、過去の経験からか、とても入れ込む傾向があります。自分の投稿用の漫画でも何本か描いたりしている程好きなモチーフです。
ところで、一般で描かれる機械人間達のエネルギーって、やっぱり電気なんでしょうか?それともロボコンみたいにガソリン?(もしくは人間の魂とか(^^;))
ある日そう云った疑問が湧きまして、「機械だからって何も人工的な物がエネルギーで無くても良いのでは…」という考えが出まして、今回、自然のエネルギーで稼働出来る機械少女を描いてみた次第です。

風を感じ、木々の音を聞き取り、土の臭いが嗅げる。

そんな人間らしい、でも身体が機械で出来ていると言う者に出会えるのは、何時になるのでしょうか。
私はそんな夢を視させてくれるロボットや機械が好きです。

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